土地の売却や所有などにかかる税金から考える相続対策

土地は不動産として大きな資産になることから相続のときには使う用途が決まっていなくても手に入れてしまいがちです。しかし、使わない土地を安易に相続してしまって大丈夫なのでしょうか。

手に入れた土地はいつか使うかもしれないし、売却すればお金にすることもできるのは確かですが、本当に相続してしまって良いのかを税金という観点から考えてみましょう。

土地を相続するには相続税がかかる

まず土地を相続するときに理解しておきたいのが相続税がかかることです。相続税は改正によって税率が高くなってきていて、土地のように高額の相続資産があると累進課税の影響でかなり大きな税金を納めなければならなくなります。

基礎控除などの控除制度もありますが、ある程度の広さの土地を持っているとそれだけで控除額をオーバーしてしまうでしょう。相続税は現金で納めなければならないため、もし現金資産が十分になかったら土地をすぐに売却しなければならないかもしれません。

ところが、土地は買い手が見つからなければ売却できず、人気のある土地でなければ延々と売れないこともあります。平均的に見ても3ヶ月以上は売却までにかかり、現金が手に入るまでには半年前後はかかるので注意が必要です。

相続遺産に現金があれば良いですが、そうでない場合には十分に税金を払える資金があるかを確認しましょう。

相続税は現金で相続するよりも土地で相続した方が良い

土地を生前に売却しておいてもらうと相続する必要はなくなります。

しかし、実は現金で相続するよりも土地として相続した方が相続税は少なくなるのでお得です。土地に対する課税は相続税評価額に対して行われる仕組みになっているからです。路線価図に基づいて計算された評価額は時価の7割から8割程度になります。

現金の場合には全額がそのまま課税対象となるので、土地の方が2割以上も課税対象額が少なくて済むのです。それに加えて、建物のある土地であれば小規模宅地の特例を適用できる可能性があります。居住用、商用あるいは賃貸用に建物を建てて利用している土地の場合には面積に応じて課税評価額を減らす特例が認められています。

さらに、賃貸用で用いているときには借地権割合に応じて評価額が下がるという仕組みもあるため、うまく運用していればかなり税額を減らすことが可能です。不動産投資によって相続税対策をしようという動きがあるのはこのような税額の軽減方法があるからです。

生前に売却しておいてもらうよりも、土地として相続してから売った方が良いと考えることもできます。しかし、相続税を納められることが前提になるので注意しましょう。相続税対策として生前に土地を購入し、相続遺産として現金がなくなってしまっていて相続人が困るというケースもないわけではありません。

生前に十分に相談してどのように遺産を受け継いでいくのが最も良いかを模索しておくのが賢明です。

土地は持っているだけで税金がかかる

とりあえず必要はないけれど、せっかくある土地だから相続して大切に使おうと考えることもできます。相続した時点で売ってしまって現金化するという方法もありますが、一度手放してしまうと二度と手に入らない可能性もあるので、もしかしたら使うかもしれないという気持ちがあるとつい所持し続けてしまいがちです。

しかし、注意しておかなければならないのは、土地は所有しているだけでも税金がかかることです。固定資産税と都市計画税は土地や家屋、償却資産に対してかかる税金で、毎年固定資産税評価額に応じて課税されます。地価が高い地域に広い土地を持っていると評価額も高くなり、高額の固定資産税や都市計画税を納めなければなりません。

不要なら手放してしまった方が無駄に生計に負担をかけずに済むのです。使わないのならすぐに売却した方が良いという考え方を持ちましょう。

「土地を売ったときの売却益と税金の関係」

土地を売却するときにも税金がかかる

土地を売却すればお金になるのは確かですが、売却するときにも税金を納めなければならないので注意しましょう。土地の取引をするときには契約書を交わします。その発行のために必要になる印紙税は納めなければならない税金です。

契約書は不要と言って、購入者の契約書のコピーだけもらうという方法もあり、印紙税をなくすこともできるでしょう。金額としてはあまり大きくはないですが、節約できる部分なのでどうするかをよく考えて決めることが大切です。

しかし、もっと重要な税金として忘れてはならないのが譲渡所得税です。土地を売却したことによって利益が得られていたら所得と見なされることになり、金額に応じた所得税を納めなければなりません。ただし、土地を売って現金にしたらその現金が全て所得とされるわけではありません。

土地を手に入れたときにかかった費用も考慮して、全体として差額で利益が生まれていたときに、その金額に対して税金が課せられます。購入や売却の際にかかった諸費用も損失のうちと考えて利益から差し引くことができるので、あまり大きな金額にならない場合もあります。

しかし、古い時代に手に入れた安い土地を高く売ることができたというケースも相続した土地の場合にはしばしばあるので、高額な税金を納めることになる可能性もあると念頭に置いておきましょう。また、譲渡所得税は所有期間によって税率が異なります。

5年に満たない場合には税率が高く、5年以上になると税率が低くなるという仕組みになっています。この点を考慮すると生前に売却してもらった方が所得税が少なくて済む可能性もあるので、予め相談しておいた方が良いでしょう。

「解体費用も考慮して考える土地売却の戦略」

相続するかどうかはよく考えよう

このように土地の売却や所有、相続のときには様々な税金がかかります。安易に扱っていると税額が大きくなって苦しむことになりかねませんが、どのような税金がかかるのかをよく理解していれば対策を立てることが可能です。

税理士に相談すると細かなところまで指摘して、最も税金を減らせる方法を提案してくれます。もし相続する時期が近づいてきたり、相続する段階になってしまったりしてどのようにしたら良いのかわからないと思ったら税理士に相談してみましょう。

最近では初回の相談は無料で簡単なアドバイスまでならもらえるということも多くなりました。まずは税制がわかっていないと相続すべきかどうかも判断し難いので、簡単な説明を受けるために税理士に話を持ちかけてみるのが大切です。